京都府宇治市・平等院(世界文化遺産)
京都府宇治市で全国的に有名な観光地と言えば「10円硬貨のデザインにもなっている平等院です」。この平等院には平安時代後期の平安貴族の藤原一族の栄華、建物・仏像・絵画・庭園を現在に伝える美しい貴重な寺宝があります。宇治川の西岸にあった源重信(みなもとのしげのぶ)の別荘を藤原道長(ふじわらのみちなが)が譲り受け、永承7年(1052)に時の関白・藤原頼道(ふじわらよりみち)が父・道長より受け継いだ事業を仏寺に改め平等院と名付けたのが始まりです。翌年には鳳凰を屋上に置く阿弥陀堂(鳳凰堂)が落成し中には当時最高の仏師と言われた定朝(じょうちょう)によって作られた阿弥陀如来坐像が安置され、52体の雲中供養菩薩像、壁扉画、日本三名鐘の一つ梵鐘(ぼんしょう)などの寺宝があり約1000年前の華やかさを現在に伝えています。浄土空間を描いたと言われる平等院の庭園は、史跡、名勝に指定されて、近年発掘調査による整備が行われた。13年には、博物館として鳳翔館が開館した。
*藤原道長(ふじわらみちなが)「この世をば我が世とぞ思ふ」と和歌を読むほどの平安時代の繁栄を築いた貴族です。康保3年(966)生まれで父は藤原兼家(ふじわらのかねいえ)、母は藤原時姫(ふじわらのときひめ)の五男として育ち将来を切望される事はなかった。正暦元年(990)に父・兼家が病死、長男・道隆が家督を継ぎ関白(成人の天皇を補佐する重職)となったが、正暦6年(995)に疫病にかかり死去する。次に関白になった次兄・道兼も7日間で同じ疫病で死去する。それにより道長にも藤原北家の家督を継ぐ機会が巡って来ました。その後家督問題により一族内で揉め事などありましたが、後に「一条天皇」の摂政(幼少の天皇に代わり政治を行う人)となり政権を独占する最高権力者にまで上りつめた
*藤原頼道(ふじわらよりみち)平安時代の中期から後期の政治家・歌人「平等院鳳凰堂」を造営した人物です。父・藤原道長の後ろ盾によりスピード出世して若くして「摂政」にさらに3代の天皇にわたり「関白」を50年以上も務めた実力者です。父とともに平安時代の藤原北家の最盛時代を築いた人物です。当時仏教を深く信仰していた頼道が釈迦の教えが衰えて世の中が乱れる「末法の世」を考え社会全体を覆っていた不安を払拭するために、この世に極楽浄土を目に見える形で作ろうとしたのが、「平等院鳳凰堂」です。正式名称は、「阿弥陀堂」で伝説上の生き物とされる鳳凰が翼を大きく広げたような外観と大屋根に1対の鳳凰が添えられていることから、江戸時代頃より「鳳凰堂」と呼ぶようになりました。平等院はユネスコ世界遺産にも登録されています
基本情報
・所在地 京都府宇治市宇治蓮華116
*アクセス ・京阪宇治線宇治駅 下車 徒歩10分
・JR奈良線宇治駅 下車 徒歩10分
・拝観時間 庭園 8:30〜17:30(受付終了17:15)
・鳳凰堂内部拝観 9:30〜16:10(各回50名)
・ミュージアム鳳翔館 9:00〜17:00(受付終了16:45)
・ミュージアムショップ 9:00〜17:00
・茶房 藤花 10:00〜16:30(ラストオーダー16:00)
・朱印所 9:00〜17:00(帳面への記帳・書き置きの対応は日によって異なります)
*定休日 年中無休(庭園・平等院ミュージアム・ミュージアムショップ) ・茶房 藤花 (月、火、水曜日)(祝日の場合営業)
個人 団体(25名以上)
大人 700円 600円
中学生 400円 300円
小学生 300円 200円
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